グラスサインの制作はまずこのエッチング工程から始まります。
エッチングとは削ったり彫ったり溶かしたりと、彫刻を施して物の表面に凹凸をつける事を言います。
ガラスのエッチングは特殊技術で、中にはかなりの危険を伴う難作業もあります。
グラスサイン&Co.が主に使うエッチング技術は
1. サンドブラスト 2.グルーチップ 3.アシッド・エッチング
の3種類です。
1.サンドブラスト
サンドブラストは高圧で砂をスプレーのように吹き付け、ガラスの表面を削っていく手法です。
これは割と一般的に日本国内にも普及している技術で、くもりガラスもこれの一種です。
吹き付ける時間が短いとこのように表面がザラザラになる程度で、
これを更に長時間吹き付けていくとこのように彫刻されていきます。
これをゴールドと組み合わせると、こんな感じに。美しいでしょう?
ガラスへのサンドブラストの起源は古く、19世紀にも遡ります。
砂漠の近くに住んでいたアメリカ人が発見したと言われています。
突風の吹く砂漠地帯で、砂漠の砂が風に乗って民家の窓ガラスを曇らせました。
これを見たアメリカ人が装飾に応用できるのでは?と、思いついたのが起源だと言われています。
2.グルー・チップ
グルーチップは別名、結晶ガラス、霜降りガラス等と呼ばれるエッチングガラスです。
適量配合された膠をガラスに流し込み、
乾燥させる事でガラス表面を削り取っていく手法です。
これはとても難しく、配合や乾燥時間、熱を加えるタイミング等で仕上がりを調整するのですが、
やはり熟練の技術が必要です。
日本においては明治時代に輸入家具(キャビネットのガラスなど)と一緒に入ってきたと言われています。
グルー・チッピングされたガラスは存在感があり、それだけでもとても美しいガラスです。
グラスサイン&Co.ではそのグルーチップ後にさらにゴールド、シルバーなどを加えてアート要素を高めます。
3.アシッド・エッチング
この作業が一番熟練の技が必要な手法と言っていいでしょう。
劇物指定の酸性エッチング液を使用し、ガラスを溶かして模様をつけます。
誤って飲み込んでしまうと、死に至る可能性のある劇薬をかなりの高濃度で使用します。
作業中は防毒スーツ、防毒マスクに専用のケミカル・グローブを二重で身につけ、
換気システムを配備した専用室で万全の状態で作業に臨みます。
リスクを背負い作業する分、仕上がりはとても美しいものになります
これに更にゴールドで仕上げるとこのような仕上がりに。
仕上がったガラスは専用の除去液にて3回洗いを行い完全に薬品を除去したものですので、
お客様の健康を害するようなことは一切ありませんのでご安心ください。